「口腔内ケア」の方法

昨今、口腔内の環境が全身に影響を及ぼすということがわかるにつれ、動物たちの口腔ケアの関心も高まってまいりましたが、まだまだ歯みがきをしている飼い主さんが少なく、状況がひどくなって初めて病院で相談するというのが現状のようです。歯みがきの導入の難しさは「動物が嫌がるから」に尽きるのではないでしょうか。愛猫・愛犬たちは体のどこを触っても受け入れてくれますか?「健康」も「信頼」も1日にして成らず!口腔ケアで大切なことは・・・

ズバリ!毎日の地道な努力です。

よく、飼い主さんとペットとの関係性を見る場合に、動物の口周りや足先などの敏感な末端部分を触ればわかると言いますね!

飼い主さんに安心して体をゆだねて、好きなようにさせてくれる場合は信頼関係が強いということ。

そうした信頼関係を築くためには、日々愛情を持って動物に接するという地道な努力しかありません。

ではいつから口腔内のケアを始めるか!

それは家に迎え入れてから早ければ早いほど良いのです。歯が抜け変わる幼少期は口の中がムズムズしてよく物を噛みたがりますね。甘噛み全盛期です!

目に見えたものは指でもブラシでも全て口の中へ運ぶため、口腔ケアは大変な作業です。しかし、その頃から口の周りを触ることに慣れさせる必要があるのです。

この口腔ケアも含め、いろいろなことを全て肯定的に学ばせて良い習慣をつけることにより、病気の予防や健康な体づくりに役立ちます。

では、成猫・成犬になってからでは遅いのか・・・??いやいやそんなことは決してありません!

気がついた時にすぐ始めれば良いのです。いつからでも無理なく、最初は短い時間から始めましょう。

猫は3歳から歯周病が見られ、犬は5歳から4頭に1頭は歯周病であるとされています。

口の中で歯石になるのはわずか3日足らず。

歯と歯茎に細菌が繁殖し、プラークになるまで8時間かかると言われ、歯石にしないためには「8時間以内」に磨くことが必要です。

したがって、起きている間に2回磨けば十分ということですね!始めはほんの少し口の周りを触ることに慣れさせて、少しでも出来たら何かご褒美をあげてくださいね。

磨いた後は必ず楽しいごはんの時間にするというのも効果的です。

慌てずにゆっくり慣らしていきましょう。

歯の表面には目に見えないクラック(凹凸)があり、歯と歯茎の隙間(ポケット)などには細菌叢(さいきんそう)が潜んでいます。

表面のプラークはガーゼやシートでも取れますが、細かな部分についてはやはりブラシでないと取れません!

人間と違って犬や猫の皮膚はとても薄く、口腔内は特に繊細な部分です。必ず動物用のブラシを使用するとともに、毛先が細く、毛の密度が高くて柔らかいものを選びましょう。口腔ケアの際は、力を入れずに優しくなでるように磨いてあげてください。

猫の場合は、特に子猫の頃からの習慣が決め手です。

成猫は無理をする必要はありませんが、指で塗る程度でも、何もやらないよりかは段違いに口腔環境に差がでます。

口腔内には大切な常在菌がいます。先月のブログでもお伝えしましたが、その常在菌のバランスを崩さずにいれば歯周病になりにくいのです。

口腔ケアで必要なものは

「愛のある地道な努力」と「優れた道具」と「優秀な歯磨き剤」

この3つです!

次回は優秀な歯磨き剤についてのお話です。


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